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2013年04月30日

連休中に読むおすすめの一冊!「キッド」木内一裕 著。

あなたは、エンターテイメント小説が好きですか?
次々と事件が起きて、息をもつかせぬストーリー展開が好きですか?
決してスーパーマンではない若者が悪党たちと闘う、痛快な話が好きですか?
逆転、逆転、また逆転と、はらはらどきどきする物語が好きですか?

そして大切なことがもうひとつ。

あなたはあまり難しいことを考えずに、スピード感あふれる物語を
リクツ抜きに、楽しめる人ですか?

これらすべての質問にYes!という人におすすめの一冊、
木内一裕さんのキッド (講談社文庫)のご紹介です。



今回は、ヘビーめの物語の紹介なので
いつもの“ですます調”ではなく、ここからはハードな文体で紹介しますね。



次々と起こるトラブル、そして大胆不敵な主人公。



放火騒動、改装詐欺リフォームさぎ、家宅侵入、債権回収、そして…死体遺棄。

この物語の主人公、石川麒一キイチ
ちっぽけなビリヤード場を経営する、二十歳のアンちゃん。
そんな、「他人に自慢できることなどなにもない」ふつうの若者が
少女からのSOSをきっかけに、度重なるトラブルに巻き込まれるハメに陥る。

しかし。
「おいおいキイチ、さすがにこれはヤバイんじゃねぇの?」と
読み手をはらはらさせながらも、彼はその持ち前の度胸と
どんなピンチに追い込まれても、決してあきらめない頭のキレ
そして、やられたら必ずやり返す!という心の強さを武器に
彼は傷つき、血を流しながらも、次々と襲いかかる窮地を切り抜け
手強い悪党たちを出し抜いていくのだ。

銃イメージ

スピード、スリル、読むものを惹きつけるストーリー展開
そして敵味方ともに魅力的なキャラクターたち、と
近年発刊されたエンターテイメント小説の中では
おいらイチオシの傑作、とあえて断言してしまおう。


作家 木内一裕について。


木内一裕と聞いてもピンとこないかもしれませんが
彼は1980年代~90年代に大ヒットしたマンガ、BE-BOP-HIGHSCHOOLを描いた
きうちかずひろ氏と、実は同一人物。

敵も味方も、善人ではない物語。
ワルとワルとがぶつかりあって、迫力あるストーリーが展開されていくさまと
簡潔な文章で、読み手に映像をイメージさせてしまう筆力
そして、緊迫した中にもふと見えるコミカルな空気は
BE-BOP-HIGHSCHOOLとも、通じるところがあるでしょう。

実はこのたび、彼の小説家デビュー作「藁の楯」が、映画化され
私としても、次回作がとても楽しみな作家さんではあるのだけど
血なまぐさい描写や後味の苦い物語も多いので
それが苦手だという人も多いかもしれません。

映画 藁の盾

そういった意味でもこの「キッド」は
木内さんの作品の中でも、エグい場面が少なく
彼の疾走感ばりばりの物語をストレートに楽しめる
いわば、木内一裕ワールドの入門編と言えるでしょう。

物語が小気味よく進んでいくので、3日もあれば読めてしまうと思います。
短いバケーションの間に、さくっと楽しむには
まさにイチオシ、の一冊です。


 



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