僕は見ておこう。
僕は見ておこう。
自分が生まれる前から、ずっと当たり前のように聞かれていた祭りの音が
ふっと聞かれなくなった、平成23年5月の浜松の街を。
僕は見ておこう。
それでもなんとか街に人を呼ぼうとして、短い準備期間の中
奔走した人々の姿を。
やっぱり今年の浜松まつりは、猥雑さは少し抑えるとしても
中止すべきではなかったな、と僕は思うのだけど
これはきっと、何年か経った後まで
「浜松まつりは戦後、昭和22年に再開されたが
平成23年に一度だけ、中止されたんだよ」と語り継がれて
ずっと後になって、答えが出ることなんだろう。
ただ、そこにいたのは。
この
3日間の政事(まつりごと)を、実りあるものにしようと
さまざまな思いを抱いて、地元からそして被災地から集まった人々。
そのがんばっている人たちの姿を見たくて、
そしてその場面を、少しでも撮っておきたくて
僕はカメラを持って、街に出かけた。
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